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映画『グリーンブック』を観て。

今年度のアカデミー作品賞に輝いた映画 

『グリーンブック』を日曜日に観てきました。

この映画は去年予告編を観た時たから、絶対に観に行こう!! 

と思っていて、公開をとても楽しみにしていました。

観てない人にはネタバレになるので、あまり詳しくは書きませんが、

笑いと涙と怒りとが交互に来て、最後はじわ~っと温かくなる映画です。

実在した黒人ジャズピアニストのドン・シャーリーをモデルにした

ドクター・シャーリーとイタリア系白人のトニーとの物語です。

 

ちょっと説明をしておきます。

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「グリーンブック」とは1900年代半ばに出版されていた
黒人用の旅行ガイドブックのことで、
黒人が旅行中に行ってはいけない場所や
地域が記され、安全に旅行ができるように手助けするものです。
黒人が無作為に攻撃されることが多々あり、命の保証がされてなかった(特に南部)ので、
彼らは自ら身を守る必要があったのです。
この旅のしおりを作成したビクター・ヒューゴ・グリーンの名前からこの名が付けられ、
黒人を受け入れるレストランやモーテルが記載されていたそうです。

☆ドン・シャーリーは1900年代に活躍したジャズピアニストです。
1927年にジャマイカで生まれたシャーリーは、2歳からピアノをはじめ、
弱冠18歳でボストンの大舞台で演奏するなど若くから才能に恵まれた天才ピアニストです。
ケネディ大統領の弟にも演奏経験があるなど、2013年に86歳で亡くなるまで活躍した
アメリカを代表するピアニストだったそうです。
そんな偉大な功績を残したドン・シャーリーが実際に行った南部へのツアーを、
同行したイタリア系チンピラとの記録が本作では描かれました。

Movie Magic アメリカ在住大学生が映画について熱く語っているブログ より

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いままでこういった類の人種差別をテーマにした映画は沢山観てきましたが、

やはり何度観ても、あまりにも理不尽な待遇に対して

素朴に 「なんで?」 「なんでこんなことができる?」

という疑問が映画を観ていて頻繁に湧いてきます。

ただ肌の色が違うだけで、こんな非人間的な扱いを受けるのは
理解に苦しみます。

昔はこんなことが当然だったということが信じられません。

でも、当事者の白人にしてみれば、”差別”という意識は無く

逆に ”差別”って何?と聞かれる位当たり前の事だったのかもしれません。


トイレも、レストランもホテルも白人とは同じ所は使えない。

虐げられた状況の中でも毅然とした態度を保つドクターの生き方に

胸が締め付けられるほど悲しくて虚しくて、切なくなると同時に

尊敬の念を禁じ得ませんでした。

ドクターが警察に捕まって、酷い仕打ちを受けても

それでも誇り高くいようとする姿勢。

それを観ながら、“人間の尊厳” “プライド” という言葉が浮かんできました。

 

また、ドクターの複雑な立ち位置もこの映画では表現しています。

黒人としては数少ない富裕層のドクターは、ある時ツアーの途中で

農耕作業をしている黒人たちと遭遇します。

その黒人達は明らかに貧困層とわかる出で立ちで

高価な服を身にまとったドクターを奇異な目で見て、

同じ黒人でありながら、「自分たちとは違う」という冷めた目で見るのです。

その時ドクターは、白人にも自分と同じ黒人にさえも受け入れてもらえない

自分の境遇を思い知り、孤独感にさいなまれたのではないかと思います。

とても印象的なシーンでした。

 

そして、私にはこの映画の主人公が

イタリア系白人ということが一つのアクセントにも思われました。

黒人まではいかなくとも、イタリア系ということで

やはり差別を受けていた立場であるからこそ理解できたのではないかと。

 

若い人たちにこういう映画を観て貰いたい、

こんな事実があったんだということを知って貰いたい、

観てどんな感想を持ったのか聞いてみたい、と映画を観ながら思いました。

 

ドクターを演じたマハーシャラ・アリはこの映画で

アカデミー賞の助演男優賞を受賞しました。納得の演技です。

 

しかし、唯一の救いはラストのシーン。

なんだか救われた気分になって、ずっと幸せな余韻が未だに残っています。

沢山の人に観て欲しい映画です。

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